2016年5月9日月曜日
【エホバの証人を辞めたあなたのために 5】 イエス・キリストとは何者であったのか。 ~彼が救いたかったのは、イスラエルだけだった!~
さて、この記事まで読み進めたあなたは、すでに「エホバ」という神の呪縛からは解き放たれていると思います。
もしかすると、「創造主」はいるかもしれないけれど、どうやらそれは「エホバ」であったり、「エホバの性格」とは異なる存在らしい、ということぐらいは、すんなり心に入っている状態になっているのではないでしょうか?
こうして旧約聖書の世界観を超越してしまったあなたにとっては、すでに「新約聖書」においても、それがどういう内容であってもどうでもいい状態になっていることではあろうと思いますが、 それでも一応は
イエス・キリスト
が何者であったかぐらいは、知っておいてよいのではないでしょうか?
しかし、その前に、「救世主としてのイエス」像についてまた「ことばのあや」や「誤解」がはびこっているので、そこをしっかり取り除いておくことが必要です。
ここで、毎度おなじみ「驚きの叫び」をみなさんに上げていただこうと思っています。
熱心なキリスト者であったあなたにはにわかには信じられないかもしれませんが、以下のような真実があったとすれば、驚かずにはいられません。
① 大工の息子であるイエスが生きた当時、自称他称を問わず「救世主」を名乗るものは、いっぱいいた。
② 彼らはたくさんのファンを得て、それぞれ盛大に活動していたが、みんな捕まって殺された。
③ 大工の息子イエス同様に、病人を治したり奇跡を行う者も、やたらめったらたくさんいた。
④ 神の国(ユダヤ人の真の独立)を夢見た政治活動家もやたらいたが、みんな捕まった。
⑤ そうした「救世主」っぽい活動をしていた人たちは、聖書以外のローマの記録にやたら出てくる。
・・・簡単に言えば、自称他称を問わない「メシア」はこの時代たくさんいて、革命運動をやっていたり、擬似医療をやってたり、いろいろグループを構成していたことがわかっています。
そして彼らが主張していたことは単純で、
「ローマに支配されたイスラエルをちゃんと正そうぜ!」
ということが基本でした。
つまり、救世主が救世するのは「あの世とか未来の楽園ではなく、腐敗に満ちたローマ支配下のエルサレム」であったことは疑いありません。
もっと、ひらたく言えば、大工の息子イエスは
「めっちゃたくさんいた革命指導者のうちの一人」
であり、
「ローマの飼い犬に成り下がった神殿支配者たちをどつき回した過激派」
であり、
「他の革命過激派たちと同様、やっぱりみんな磔になった」
という人生だったのです。
そしてもっと興味深いことに、イエスやその周辺にいる人々はみな
「日雇い大工」とか「漁師」とか「娼婦」とか、「徴税人(ただし、ほぼ高利貸し)」
ばっかりで、完全に「ナニワ金融道」とか「Vシネマ」の世界ですので、全員ヤンキーであったことは間違いありません。
そんなガリラヤのヤンキーたちが、「いやマジ、政府も神殿も腐ってるんだって!」と言いながら仲間を増やして上京するのが、新約聖書の物語だというわけです。
ではなぜ、そんな地域密着型の「革命家」であった大工の息子イエスの活動が、「全世界を救う」なんて壮大なテーマに置き換わってしまったのでしょうか?
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その大きな役割を果たしたのは、「パウロ」であることは、聖書学者たちも認めるところです。
ただし、パウロは、ヤンキーばかりのイエス教団において「先進国のギリシアの知識を持ったインテリ」であったけれども、直系の弟子ではなかったため、
「イエスの直系弟子(基本はイエスの親族)」のグループと、不仲だった
ことがポイントになったと言います。
ご承知の通り、イエスの教団は残った使徒たちによって発展してゆきますが、その後継を担ったのは当然、イエスの親族たちでした。(イエスの兄弟ヤコブ)
この一団は、イスラエルの国内において、残存勢力として頑張っています。
一方、直系弟子ではない「パウロ」は、聖書の中で「異邦人」と呼ばれる、ユダヤ人ではない外人さんに向けて布教を進めます。
ここが大きなポイントなのです。
このブログの最初のほうから説明している通り、基本的に「エホバは、ユダヤ人のことしか救うつもりがない」のは自明の理論です。
そしてまた、その思想を受け継いでいる大工の息子イエスも「イスラエルが救われることしか考えてない」のは当然です。
そんな教えを、諸外国に向けて布教しても
ウケるわけがない
のは、当たり前のことでした。
そこでインテリパウロは、「救いの対象を、まろやかにぼかして、ユダヤ人だけからそれ以外の人々へと広げる」ように説教を変えてゆきました。
つまり、「イエスと神を信仰するものは、救われる」と説き始めたのです。
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まあ、このへんの初期キリスト教会の動向は、
使徒ペテロがはじめリーダーだったけど、イエスの兄弟のヤコブが権力をもちはじめたので、ペテロはどっか行ってしまった
とか、
ヤコブが、外人エリアで勝手に伝道しているパウロを呼びつけて「どないやねん」と叱った
とか、いろいろ面白いことがあるので、お好きな方は調べてください。
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さて、大工の息子イエスをはじめとした革命家たちが「イスラエルをローマの手から取り戻そう」という機運は、実はイエスの死から30~40年後に実現することになります。
それが、「ユダヤ戦争」という戦いで、イスラエルはローマからの独立を試みますが、結果は
大失敗・大敗北
に終わり、イスラエルは再び叩きのめされるのでありました。
こうして、あの「エホバ」を祭った神殿は破壊され、ユダヤ人の歴史においてとても重要な「離散(ディアスポラ)」を迎えることになるわけです。
この時、実はまたまた興味深い事故が起こります。
そうです。イエスの伝統を受け継いでいたはずの正統派ヤコブたちの初期教会も、エルサレム陥落と同じくして破滅に向かうことになったのでした。
ということは、残ったのはあの人の信仰だけですね?!
はい。そうです。
外人さん向けに「誰でも救われます」にアレンジされたバージョンのキリスト教だけが残り、本家本元の「ユダヤ人だけのためのキリスト教」は衰退することになるのです。
だ・か・ら
今のキリスト教は、基本的に全人類が救われることになってしまったというわけなのです!!!
さあ、ここまで5回に渡って、少々駆け足で
「あなたが信仰してきたものの、本当の中身」
についてお話してきました。
中にはショックで立ち直れない人もいるでしょうが、安心してください。
そんなあなたでも、これからしっかり大地に足をつけて、新しい気持ちで生きてゆくための方法はいくらでもあるからです!
次回からは、そんなお話をすることにしましょう。お楽しみに。
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