2018年10月11日木曜日

エホバの証人を辞めてからの生活再建について ~ 2世信者を中心に ~



 私自身は、エホバの証人を中学生時代に辞めているので、現在40代半ばの人生においては、かつての経験や記憶が自分自身を苦しめることは



 全くない




のですが、ツイッターなどで多くの「エホバの証人を辞めた方」や「元2世」の方の心情などを伺っていると、まだまだ心にいろいろなモヤモヤを抱えている方が多いように感じます。




 そうした方の「生活再建」はどうしたらいいのか、ということを近年は常に考えているのですが、それは、私がJWの呪縛から脱した先達として、なにがしかのおみやげを残せたらよいなあと考えているからです。




 さて、最近宗教2世が自立する優先順位として以下のような内容を挙げました。

 

 ① 経済的自立 職業と住居の確立

 ② メンタルの安定

 ③ 教義に対する自分なりの反証や否定

 ④ 親への意思表明や反論・説得



  この内容をお話した時には、


 順番を間違うとうまくいかないよ


という意味でツイッターなどには書いたのですが、特に2世信者の場合は日常の多くが



 親との軋轢



に終始してしまう恐れがあるため、特に④などを先に持ってくると大変なことになるのが目に見えているというわけです。




 理想的な宗教との離れ方としては



「就職や進学などで自立・1人暮らしができるチャンスを見計らって物理的に離れる」


「できれば経済的に自活できるとなおよい」


「結婚して配偶者とともに生活をはじめるのも可」


 が、第一段階だと思います。



 次に「メンタル」の安定を取り戻す方法ですが、大事なポイントとしては



「今、現実問題として自分が何に不安を感じているのか」


「自分をとりまく何が問題や課題なのか」


 を明確にして言語化できるほうがいいです。



  これが漠然とした「生に対する不安感」のようなものだけでは、援助者や何かの制度などを利用するにしても、どうサポートすればいいのか不明瞭になってしまう場合があるでしょう。



「何か人間関係を中心としたものなのか」


「教義とリンクする罪悪感などなのか」



などを、少しでもいいので具体化するとよいでしょう。





 その上で、それぞれの宗教に対する教義へ反論することはいくらでもできるでしょうし、ネットなどにはその材料や証拠となる証言や事実もたくさん転がっています。


 この部分は一度理解が進むと、どんどん「宗教の教義」の矛盾が溢れてくることと思います。






 最終的に、親とどう向き合うのかは、家庭の事情や状況によっても異なります。自分の心身の安定を手に入れた上で



「もはやあえて向き合わない」



という選択をすることも可能なのですから。





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  宗教に囚われてしまう根本原因として、最近気付いたのは



「無教養が、宗教に陥れられてしまうひとつの原因」


だということです。



 たとえばオウム真理教などのように高学歴でもカルトに入ってしまう人たちはたくさんいますが、彼らは


「知識や学歴はたくさん有していても教養がなかったのではないか」


 ということができるでしょう。



 知識や学歴は、情報の量や質の単純な積み重ねです。


 しかし教養は、情報同士がシナプスのようにネットワーク化されて、自由自在に繋がることを意味します。


 教養があると「あれ?これはこの問題と似ているな」とか「これとこれが矛盾するのでは?」という「おかしな点」にいち早く気付くようになります。


 このセカイでおきていることと、どこかの宗教が言っている内容が本当に合致するかどうかは、教養によって



検証することができる



というわけなのです。




 もちろん宗教2世は、不幸なことに「無教養になるように育てられる」ことが多いです。


 情報の量や質も制限され、それが他の事象とどのように関わるかを考えることすら「止められて」しまうことでしょう。


 こうした状態になった人たちを「教養」の世界に引き戻すには、たいへん時間とコストがかかります。



 それは、いわゆる一斉授業のような知識伝達ではなくて



「その人の見えている世界と、事実や知識との間に関係性を生じさせてゆくような伝達」


が必要になるからです。



 簡単に言えば、ソクラテスがやったような「対話的な・質問的な手法」が必要になるかもしれません。



 エホバの証人のたとえでいえば、



「個人研究してしまった分の時間だけ、逆の個人的対話」



が必要になるのかもしれない、ということです。




 私は元高校教員ですので、教育に関してはプロですが、こうした問題に関しては、とても複雑で簡単ではないと覚悟しながらこれを書いています。




 



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